ミノルタCLEというカメラについて

前々回のエントリー記事(といっても1月以上前の話)で、フィルムにハマったということを書きました。

 

orion-report.hatenablog.jp

 この記事の一番下に、モノクロの写真を載っけたんです。

今回は、この写真を撮影するときに使った、ミノルタのCLEというカメラについてのお話です。

 

もくじ

 

 1:ミノルタというメーカーについて

ミノルタは、日本で二番目に長い歴史をもつメーカーでした。今では、カメラ事業こそ止めてしまったものの、コニカという会社(これまたカメラを作っていた日本で一番歴史ある光学機器メーカー)とくっついてコニカミノルタとなり、コピー機などの光学機器は製造しています(プラネタリウムの映写機を作ってるので、そういうところでも目にするかもしれません)。

ちなみに、このミノルタが作ったAFカメラシリーズは”α”という名前でした。しかしその後、キヤノンニコンに敗れ業績が悪化、カメラ部門はソニーへと譲渡される事になります。つまり、今ソニーが販売しているαシリーズのルーツは、ミノルタにあるのです。

2:CLEの基本情報

さてこのCLE、レンジファインダーという種類のカメラです。

レンジファインダーの説明はwikipediaなどを参照していただくとして、ザックリいうとライカと同じだと思って頂けると良いと思います。

実際、このカメラのマウントはMマウント、つまりM型ライカと同じです。

これは、この当時ミノルタとライツ社が技術提携(これにも背景はいろいろ有るようですが)していたことから生まれた兄貴分”ライツミノルタCL”の後継機としてCLEは企画されたからです。

もともとはこのカメラもライツと共同で作るつもりだったようですが、結果としてミノルタの単独開発になりました。

なんだか複雑な背景を持っているわけですが、決して性能的に劣る部分があったわけではありません。

むしろ、ライカより先に電子制御・絞り優先AEを使えるようにしたことで、実用性が向上。未だに人気があるとかで、中古価格もそれなりにするという、少々変わったやつだったりします。

3:CLEの特徴

まず第一に、ファインダーが非常に見やすい事が言えると思います。

一眼レフと違って、素通しのファインダーは初めて見るとかなり衝撃を受けます。なんといっても明るいんですね。

明るいファインダーの中には、28mm・40mm・90mmのフレームが装着したレンズに応じて浮かび上がる仕組みになっています(正確には、28mm・28mm+40mm・28mm+90mmの3種類です)。僕は、このカメラにVoigtlander NOKTON Classic 40mm f1.4を付けているので、40mmのフレームと、それを囲むように28mmのフレームが浮かび上がっています。

 

 

レンズを外すと、布幕のシャッターを見ることが出来ます。ところがこのシャッター幕、妙な模様がついてますね?

実は、この面の反射(フィルムと同じ反射率になっているらしいですね)を用いて露出を決定しているのだそう。こんなギミック他では聞いたことないですね... 

 

ちなみに、こうして得られた結果を用いることで絞り優先AEを実現したわけですが、シャッターボタンにも少しだけ細工が有りまして...

 

タッチセンサーが埋め込まれていて、このボタンに触れている間だけ露出計が作動します。いろいろ考えて(技術力も総動員して)使いやすくしてるんだなぁと、なんだかしみじみしますね。

 

こんな感じで、ザックリではありますがご紹介でした。

周りにも知ってる人は少なくて、初めて見ましたって人が結構多いのでこんな記事を書いてみました。

ちなみに、このCLEが僕の手元にやってきた時、電源は入っているのにシャッターが切れない・コマが抜けるという症状を抱えていたんですが、香川にあるミナミカメラサービスさんに見てもらって完璧にしてもらいました。

外装はプラスチックらしいんですが、その分軽くて気軽に持ち出すにはもってこいの1台です(もっとも、この組み合わせだとレンズがずっしりなのでアレですが笑)

興味があればぜひ探してみてください。

ではでは

f:id:OrionK:20170318211939j:plain

MINOLTA CLE × Voigtlander NOKTON classic 40mm f1.4 s.c × kodak ektar100