Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA (SEL35F14Z) というレンズについて

強烈な寒さが続いていますね。お陰で外に出ていこうという気にならないのがやや問題ですが・・・

今回は、あまり人気がないのかほとんどレビューを見かけなかったFEレンズを軽くレビューしてみたいと思います。

 

・不人気?

 本当か?と問われると、個人的な観測です。というより他にないのですが、Web上のレビューを探しても、ほとんどこのレンズを扱う人が居なかったので、あんまり人気じゃないのかなぁ、と思っています。実際、35mmという画角は確かに難しく人を選ぶものですし、決して安いものでもないのでこのレンズを選ぶ人はなかなか居ないのでしょう。さらに言えば、このレンズよりも後に出た50mmが大変優秀で、素晴らしい描写をするというのも一因でしょう。

・特徴

 このレンズの特徴は、外観にあります。レンズの付け根部分にアイリス(絞り)リングがついているので、絞りを直感的に操作できるようになりました。写真の撮影ではそこまでメリットを感じないかもしれませんが、動画を撮影する際に効果を発揮します。また、この絞りリングはクリック/デクリックを切り替えられるので目的に応じて選択出来ます。

 また、このレンズはダイレクトドライブSSMと呼ばれるAFモーターを搭載しているために、非常に静かで早いAFが可能です。実際、我が家にある他のレンズや、ペンタックスを使っていた頃のレンズと比較しても静音性という点ではこのレンズが一番ではないかなと思います。

・実写

 今回は決まった撮影地ではなく、スナップ的に撮影したものを使いました。ボディはα7RⅡ、Lightroomで露出のみ調整して書き出しています。

まずは有楽町のガード下で撮影したもの。ここは昭和を感じるスポットでもあります。夕方で暗い環境下ではありますが、AFは正確かつ高速です。

中央の看板を見ると分かるのですが、輝度差の激しいところではフリンジが出ています。

 

ボケの様子を観察するためにピントを手前にしてみました。流石に大口径レンズだけあって、開放では口径食が目立ちます。さらに言うと、年輪ボケも見受けられます。非球面レンズが3枚使われていることからこの現象は致し方ない部分はあります。ただ、G Masterレンズ発表以降は非球面レンズの製造精度が上がったためか、非球面レンズが多く使われていても年輪ボケが目立たないという話もありますので、いずれ検証してみたいと思います。

 

ただ、フリンジもモノクロであればすぐには気になりません。AFもキマりますから、スナップには向いていると言えそうです。

 

と、言うことでレビューをお送りしてきました。さすがツアイスレンズといいましょうか、描写は素晴らしいものがあります。ただ、FEレンズの35mmといえば、Sonnar 35mm F2.8 ZA(SEL35F28Z)もあります。あちらの方は小型軽量で、値段も安いので35mmが欲しいとなるとあちらを選ぶのが普通でしょう。35mm自体、最初にも書いたとおり難しい画角ということもあって、高い物を選ぶのは躊躇してしまうところではありますが、F1.4 のボケと操作性はこちらが圧倒的に優位といえます。目的に応じて選ぶと良いのではないでしょうか。

 

ではまた!