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the unsung war

もう今年も残り少なくなってきた。でもそれは僕のわずかばかりの冬休みが残り少ないことを意味していて、非常に複雑な思いだ。

さて、今年は戦後70年。そんなこともあってか、最近、戦争体験を聞く機会に恵まれた。

 

語り手は85歳。東京の下町地域に住んでいて、東京大空襲に遭った。彼女は学徒動員中で上野駅で駅員をしていたらしい。

東京大空襲は異質だ。木造家屋を効率的に焼き尽くすために徹底研究された爆弾を使って、爆撃機が下町を襲うさまは考えるだけでもおぞましい。死者10万人にもなる空襲がその後何回あっただろうか。

当然、被害者には鮮烈な記憶となってこびりつく。目の前で体が吹き飛んだだの、すんでのところで助かっただの、平和な世界しか知らない僕には想像しか、いや、想像すらできないことの連続だ。

そんな記憶ともなれば、万人が話したいわけではないだろう。実際、話し手の弟はそれを拒んだらしい。それでも、話し手は平和を願う一心で話してくれた。

写真は、現在の東京浅草・言問橋東京大空襲のあとしばらくは焼けた人の油で橋桁は真っ黒だったという。

 言問橋

 

 

最近、「ハート・ロッカー」という映画をみた。中東に派遣された爆発物処理班の話だ。彼ら米軍が見ている風景が垣間見える作品だった。

戦争の形態は第二次大戦以降大きく変わった。特にこの10年の戦争スタイルはゲリラ、テロをはらんでいて非常に厄介だ。レーダーや対空砲火が発達し迎撃戦闘機の性能が向上した今となっては、東京大空襲のようにはならないのだろう。核攻撃というシナリオも見えなくはないが、それもやっぱり迎撃手段が存在する。

映画「ハート・ロッカー」では心理的な葛藤や苦しみも描かれていた。いつ襲われるか、いつ銃撃戦になるのか、突然爆弾が爆発するかも、目の前のそいつが爆弾犯かも。そんなことを考えながら生活しなけでばならないのだから当然精神的にも参ってしまうだろう。いまや、米軍とて世界最強ではないのだ。

 

今年は過激派組織ISが非常に勢力を拡大した年でもあった。世界中に危険因子が潜んでいて、いつどこでテロが起きてもおかしくない恐怖を植えつけた。 

と、同時に安保関連で世が揺れた一年でもあった。でも、諜報能力がお世辞にも高くない日本において、警察だけで十分だなんてことは多分ないし、自衛隊ですらも力不足かもしれないんじゃないかなと思う。もちろん、戦争したいなんて微塵も思わないし、そうなってほしいとも思わないけど。

 

タイトルのthe unsung warは、謳われない戦いと訳す。某フライトシューティングゲームの副題だ。世の泰平のため人知れず闘う人たちに感謝しながら、僕は今日も眠りにつく。